ムラケンの小部屋(ブログ)
2026.07.23
【腰の痛み、慢性痛と内臓の関係性】→内臓は膜によって全身とつながっている
慢性痛と「内臓周囲の膜」の深い関係
こんにちはムラケンはりきゅう整骨院です
このページをご覧になっていただき有難うございます
あなたの身体は一つのユニットでできています
つまりは
「体全体は繋がり合っていて一つ」ということです
ですので、痛みのある場所に執着するのではなく
筋肉、骨関節、神経、内臓、脈管(血液の流れ)、頭蓋
どこに痛みの原因があるかを問診、検査、から
正しい治療手順を考えて根本的に施術をしています
今回は
内臓と慢性痛の関係について書こうと思います
内臓は、お腹の中にただ置かれているわけではありません。
胃、肝臓、腸、腎臓、膀胱、子宮などの臓器は、
さまざまな膜や靱帯によって包まれ、
支えられ、隣接する組織や体幹の骨格につながっています。
代表的な膜には、次のようなものがあります。
腹膜
腸間膜
大網・小網
結腸間膜
肝臓や胃を支える腹膜靱帯
腎筋膜
横隔膜筋膜
胸膜
心膜
骨盤内筋膜
これらは独立した布のようなものではなく、
結合組織の連続体として、横隔膜、腹壁、腰椎、骨盤、仙骨、胸郭などに力を伝えています。
腹膜とは何か
腹膜は、腹腔や骨盤腔の内側と、多くの腹部臓器の表面を覆う薄い膜です。
腹壁の内側を覆う部分を「壁側腹膜」、臓器の表面を覆う部分を「臓側腹膜」と呼びます。その間には少量の液体があり、呼吸や消化活動に伴って臓器同士が滑らかに動ける構造になっています。
この「滑走」が重要です。
内臓は呼吸のたびに横隔膜とともに動き、食事や排泄によって形や位置を変えます。手術、炎症、感染、強いストレス、長期間の姿勢不良などによって膜の滑走性が低下すると、周囲の組織に持続的な張力が加わる可能性があります。
腸間膜とは何か
腸間膜は、小腸などを腹壁につなぎ、支えている膜状の構造です。
腸間膜の中には、
動脈と静脈
リンパ管
自律神経
脂肪組織
結合組織
が通っています。
つまり腸間膜は、単なる「腸を吊るす膜」ではありません。
腸を支えながら、血液、リンパ、神経の通り道となり、腸と腹壁の間で力を伝える重要な組織です。
腸間膜に緊張や滑走制限が生じれば、その張力は腹部だけでなく、後腹膜、腰部、骨盤周囲にまで波及する可能性があります。
横隔膜と内臓の膜
横隔膜は呼吸の主役となる筋肉ですが、同時に胸腔と腹腔を隔てる大きな膜性構造でもあります。
横隔膜の上には胸膜や心膜があり、下には肝臓、胃、脾臓などが位置しています。また横隔膜は腰椎、下位肋骨、胸骨に付着しています。
そのため、横隔膜の動きが低下すると、
内臓の上下運動が小さくなる
胸郭が硬くなる
腰椎周囲の緊張が増える
呼吸が浅くなる
首や肩の補助呼吸筋が過剰に働く
という連鎖が生じることがあります。
反対に、肝臓や胃の周囲に強い緊張があることで、横隔膜の動きが制限される可能性もあります。
腎筋膜と腰痛
腎臓は後腹膜に位置し、腎筋膜や周囲の脂肪組織によって支持されています。
腎臓の周囲は、大腰筋、腰方形筋、横隔膜、腰椎などに近接しています。そのため、腎臓周囲の組織の緊張や後腹膜の滑走低下が、腰部の張りや動作制限と関連しているように感じられる症例があります。
ただし、腰痛があるからといって、すべて腎臓や内臓が原因というわけではありません。
椎間板、関節、筋肉、神経、心理社会的要因、睡眠、生活習慣なども含めて評価する必要があります。
内臓の問題が離れた場所の痛みとして現れる理由
内臓と筋肉や皮膚からの感覚情報は、脊髄の同じ、または近い神経細胞に入力することがあります。
脳が内臓からの信号の発生源を正確に区別できず、皮膚や筋肉から来た痛みとして認識する現象を「関連痛」といいます。
例えば、
心臓の問題が胸や左腕、背中、顎に現れる
胆道系の問題が右肩周囲に現れる
骨盤内臓器の刺激が下腹部や腰部に現れる
尿管の刺激が腰背部から鼠径部に現れる
ことがあります。
内臓からの刺激が長く続くと、同じ脊髄領域に関係する筋肉や皮膚の感受性が高まり、圧痛、筋緊張、関連痛が維持されることもあります。これには内臓と体性組織からの神経入力が脊髄で収束する仕組みや、中枢性感作が関係すると考えられています。
慢性痛の60〜70%に内臓が関係するのか
オステオパシーや内臓マニピュレーションの臨床では、「慢性痛の多くに内臓系の影響が隠れている」と説明されることがあります。
しかし、慢性痛全体の60〜70%が内臓由来、あるいは内臓機能障害によって起きていると断定できる十分な科学的根拠は、現在のところ確立されていません。
一方で、内臓痛そのものは決して珍しくありません。国際疼痛学会は、ある時点で人口の最大約25%が内臓痛を経験していると説明しています。
また、筋骨格系の持続痛を抱える人の少なくとも約3分の1が、腹部、骨盤、胸部の反復症状を併せ持つという報告もあります。
したがって、正確には、
「慢性痛の60〜70%が内臓由来である」
ではなく、
「慢性痛では筋骨格だけでなく、内臓、呼吸、自律神経、膜の滑走、既往歴などが症状の維持因子になっていないかを評価することが重要である」
と表現するのが適切です。
オステオパシー的内臓治療の目的
内臓治療は、臓器を強く押したり、病気を治したりするものではありません。
当院が施術の根幹技術として使用しているオステオパシーでは、
呼吸に伴う動き、周囲組織との滑走性、膜の張力、圧痛、身体全体との連動性などを評価します。
そのうえで、必要に応じて穏やかな手技を用い、
内臓周囲の組織の滑走性
横隔膜や胸郭の動き
腹部と骨盤の力学的バランス
呼吸のしやすさ
身体全体の可動性
を整えることを目指します。
内臓周囲を対象とした手技については、慢性腰痛などに対して有益な可能性を示した研究があります。しかし、研究数はまだ少なく、研究の質にもばらつきがあるため、「必ず治る」「内臓が痛みの原因である」と断定することはできません。
痛い場所だけを治療しない
長引く腰痛や肩こりでは、痛い場所だけを繰り返し施術しても、症状が戻ってしまうことがあります。
その場合は、
✔呼吸は浅くないか
✔横隔膜は動いているか
✔腹部や胸郭に過度な緊張がないか
✔手術痕や炎症の既往がないか
✔内臓症状を併発していないか
✔睡眠やストレスに問題がないか
という全身的な視点が必要です。
身体の歪みとは、単純に骨がずれている状態ではありません。
筋肉、関節、神経、血管、内臓、膜、呼吸が互いに影響し合い、身体の一部に負担が集中している状態です。
内臓を包み支える膜まで含めて評価することは、原因が一つではない慢性痛を理解するための、重要な視点の一つなのです。





