ムラケンの小部屋(ブログ)

2026.10.09

仰向けも寝返りもつらい腰痛。バレエ教室の先生にみられた「左骨盤のアップスリップ傾向」

こんにちは。ムラケンはりきゅう整骨院です。
施術の数だけドラマがある。
今日も人体の旅を続けていきましょう!!

今回ご紹介するのは、50代女性・バレエ教室の先生です。

お仕事柄、身体を動かすことが日常。
柔軟性もある。
身体の使い方にも慣れている。

そんな方でも、
ある日、
腰から仙腸関節付近にかけて強い痛み
が出ることがあります。

今回の患者さんも、
仰向けになるのがつらい。
寝返りを打つのも痛い。
身体を少し動かすだけでも、
「そこがズキッとする」
という状態でした。

バレエの先生ですから、
普段は身体を自在に動かしている方です。

だからこそ、
「思うように身体を動かせない」
という状態そのものが、かなり大きなストレスだったと思います。

腰が痛い。でも腰だけでは終わらない

最初に確認したのは、
どこで痛むのか。
どの動きで痛むのか。
仰向け。
寝返り。
骨盤を動かした時。
腰を曲げた時。
反らした時。
ひとつずつ確認していきました。

そして骨盤周囲を詳しく見ていくと、
左側の腸骨と仙骨周囲に、気になる位置関係と動きの左右差
がみられました。

そこで、
「これは少し骨盤側から見た方がよさそうだな」
と考えました。

そこで気になったのが「アップスリップ」

徒手療法では、
骨盤の左右差を評価する表現のひとつとして、
アップスリップ
という言葉を使うことがあります。

簡単にいうと、
片側の腸骨が反対側に比べて、上方向へ偏位しているようにみえる評価所見
です。

今回の患者さんでは、
左側にそのような傾向がみられました。

ただし、
「骨盤が完全にズレている」
「骨が上に外れている」
という意味ではありません。

あくまで、
触診や動きの評価の中で、
左骨盤周囲に上方への偏りや動きの制限がみられた
ということです。

バレエだからこそ、骨盤の動きは重要

バレエでは、
脚を上げる。
開く。
回す。
片脚で立つ。
ジャンプする。
着地する。
こうした動作を何度も繰り返します。

その土台になるのが、
骨盤と股関節。

骨盤周囲に動きの左右差があると、
腰や仙腸関節周囲に負担が集中することも考えられます。

もちろん、
「バレエをしているからアップスリップになった」
と決めつけるわけではありません。

でも、
患者さんの動作歴。
身体の使い方。
今出ている症状。
そして検査所見。
これらを合わせて考えると、
今回の左骨盤周囲は、
施術の優先順位として高いポイント
だと判断しました。

骨盤周囲へアプローチして、もう一度確認

そこで、
左腸骨。
仙骨。
仙腸関節周囲。
それぞれの動きを確認しながら、
身体の反応に合わせて調整していきました。

そして、
いつもの再検査です。

仰向けになってもらう。
身体を動かす。
寝返りをしてもらう。

すると、
「あれ?痛くない」
と。

さらに動いてもらっても、
先ほどまで出ていた腰・仙腸関節周囲の痛みに、
その場で大きな変化がみられました。

患者さん自身も、
かなり驚かれていました。

こういう時、
施術者側も思います。
さて、ここまで変わるのか。

人体って、本当に面白いですね。

でも「骨盤を矯正したから治った」では終わりません

ここは大切です。

今回、
左骨盤周囲へのアプローチ後に、
痛みが大きく変化しました。

だからといって、
「左腸骨のズレが腰痛の原因だった」
と単純に断定するわけではありません。

腰。
股関節。
骨盤。
仙腸関節。
筋肉。
動作。
日常の身体の使い方。
いろいろな要素が重なっています。

大切なのは、
どこを評価し、どこへアプローチした時に身体がどう変わったのか?
を確認すること。

だから当院では、
問診 → 検査 → 評価 → 施術 → 再検査
を当たり前以上に大切にしています。

動ける人ほど、動けなくなった時につらい

今回の患者さんは、
普段から身体を動かす仕事をしている方です。

だからこそ、
仰向けになれない。
寝返りができない。
腰を自由に動かせない。

この状態は、
一般の方以上に大きなストレスだったと思います。

身体を動かす仕事をしている人にとって、
「動ける」ということ自体が仕事道具
です。

だから、
痛みを減らすだけではなく、
また安心して身体を動かせる状態に戻していく
ことが大切なんだと思います。

今日の格言です。
「腰が痛いなら、とりあえず腰!」

……だけでは、
人体はなかなか答えをくれません。

腰が痛い時こそ、
骨盤。
股関節。
仙腸関節。
その周囲の動きまで見てみる。

そこに、
今まで見えていなかったヒントが隠れていることがあります。

仰向けになると痛い。
寝返りがつらい。
仙腸関節付近が痛む。
腰を施術しているけれど、なかなか良くならない。

そんな方は、
腰だけではなく、骨盤周囲の動きまで一度確認してみる
という選択肢があってもいいかもしれません。

※腰痛・仙腸関節周囲痛には、腰椎疾患、骨折、炎症性疾患、神経症状を伴う病態など医療機関での評価が必要なケースもあります。強い夜間痛、発熱、しびれや筋力低下、外傷後の強い痛みなどがある場合には、医療機関での検査をおすすめします。

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